やっぱ虫とか食べんの?
ラオスや東南アジアを多少知る人から、ときどき投げかけられる質問。
その答えは……
イエス。
今日はそんな、昆虫食のお話。
あなたは虫を食べられる?
ラオスの農村に3年住んでいたちこです。
さすがのラオスでも、街の人にとっては、虫は珍味の部類です。
お値段もけっこう高い。
例えば、豚肉が約300円/キロなのに対し、虫はだいたい、1000円/キロとかします。
でも、農村部では日常的に食べていました。
貴重なたんぱく源ですからね。
イナゴ。カブトムシ。セミ。カメムシ。タガメ。ケラ。ハチノコ。
そして名もわからない謎の虫たち……。
あ、そこのあなた、今ひいたでしょ?
かくいう私も、この虫の名前の羅列をみて、「おいしそう……じゅるり」とは全然なりませんが。
日本では、普通に暮らしていると、虫を食べる機会はそれほどありませんよね。
でも、地方によっては今でも食べるし、ハチノコなんかは瓶詰で商品になって売られています。
一昔前なら、ハチノコやイナゴなど、けっこう普通に食べられていたそうですね。
でも最近は、そもそも虫を触れない人だって、多いようです。
それを食べるとなると、
「気持ち悪い!」
というのが先立つかもしれません。
でもね、食べてみると、意外といけるもんです。
みんなもエビやカニはおいしく食べますよね。
昆虫って、甲殻類と似てません?
そう思うと、ちょっとはおいしそうな気がしませんか?
なんたって、カニやエビの遠い親戚ですよ?
……ムリかな?
世界を養う昆虫
FAOも昆虫を食べようキャンペーンをやっています。
ウェブサイトをのぞくと、「Insects for food and feed」っていう昆虫食関連のページもあります。
2014年に開催されたらしい昆虫食会議。
そのキャッチフレーズは「Insects to feed the world」。
世界を養う昆虫(笑)
さすがに風呂敷広げすぎな気もしますが。
それでも。
現代の日本人にとってはやっぱり「ゲテモノ」って感がぬぐえないでしょうね。
でもね、食わず嫌いはもったいないと、私は思うのです。
全部の虫がおいしいとはいいませんが、中には普通に「おいしい」って思えるものもありますから。
ということで、前置きが長くなりましたが。
今までに私が食べたことのある昆虫食から、独断と偏見により、選りすぐりの5種を紹介しますよ。
虫の写真とか苦手な人は、ここで引き返したほうがいいかも。
(正統なラオス料理について知りたい方は、こちらの記事をどうぞ→食べておきたいラオス料理5選)
1.タケムシ(小)
ラオス語では「メーン・メー」。
タイでも有名なので、知っている人も多いでしょう。
味、食べやすさ、どちらをとっても、試しやすい部類だと思います。
タケの中に住んでいる、タケメイガと呼ばれるガの幼虫で、タケだけを食べて大きくなるので、苦みや渋みなどもありません。
普通はさっと素揚げにして、ちょっとお塩をふっていただきます。
火を通す時間が短いとクリーミーなお味に、しっかり揚げると、サクッと軽く、スナック感覚になります。
新鮮さが命。
タイで売っているパッケージされたものは、だいたいあんまり新鮮じゃなくて微妙です。
農村では、生で食べる強者もいましたが…。
旬は8-9月ごろ。
2.タケムシ(大)
ラオス語は「ドゥアン・ノー」。
先にあげたタケムシよりもだいぶん大きい、でもやっぱりタケノコの中にいる幼虫です。
オサゾウムシの仲間の幼虫で、タケノコのほか、ヤシの芽などにもいるようですね。
私が食べたことあるのは、タケノコの中にいるやつです。
タケノコだけを食べて大きくなるせいか、臭みもなくよいお味。
成虫になると、こんな虫。
ちなみに、こいつも焼いて食べます。殻が固く身が少なくて、おいしいかは微妙。
ちなみにちなみに、地面の中にいるサナギが一番おいしいらしいのですが、見つけるのが難しいので、滅多に口に入りません。
なんにせよこの幼虫、味の点では1のタケムシよりもおいしいです。
濃厚でクリーミーで。カニ味噌みたいな感じ。
原型をとどめていると、ちょっと、いやかなり、食べるのをためらいますがね。
写真は、この虫を刻んでハーブであえて、蒸そうとしているところ。
こうなると、あまり原型をとどめていないので、言われなかったらおいしくいただけるかと。
市場ではあまり出回ってなくて、レア。
旬は8-10月ごろ。
3.アリの卵
ラオス語で「カイ・モットデーン」
こちら東南アジアには、木の上に葉っぱをより合わせた巣を作る、大きな赤アリがいます。
噛まれるとむっちゃ痛いやつ。
ツムギアリというそうですね。
こちらの人は、このアリの卵を集めてきて料理に使います。
粒が小さいのもあって、虫っぽさが少なく、多くの人が抵抗なく食べられると思います。
味はそれほど濃い感じでもなく、意外と淡泊。
プチプチした触感が、魚卵っぽいと言えなくもない。
いくつか定番料理があって、それがおいしいです。
写真のように、香草あえにしたり。
酸っぱい魚のスープに入れたり。
旬は乾季の終わり、3-4月ごろ。
4.カメムシ
ラオス語では「メーン・ケーン」。
言われなかったら絶対カメムシってわからない、すっとさわやかな香り。
とある日本人の知り合いは「アップルミントの香り」と表現していましたよ。
普通は、焼いた後トウガラシと一緒につぶして、「チェオ」という辛みそにします。
(料理したもののいい写真がありませんでした…)
全然、臭くないから!
5.コオロギ
素揚げにして、塩をふっていただきます。
小エビを揚げたのみたいです。
ビールのおつまみとして、なかなかいけます。
天然ものの旬は9ー10月だったと思います。
養殖コオロギもありますよ。
食わず嫌いをせずに、新境地を開こう
どうでしょう。ちょっとは試してみようという気になった人、いますか?
気持ち悪いって思うから気持ち悪いんです。
機会があったら、ぜひ食わず嫌いせずに試してみてください。
ポイントは、ちゃんと合った方法でお料理されたものを食べること!
ただ焼いたやつとか、基本おいしくないから。
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