住んでいる場所によって、その街ならではの「音」ってありますよね。
ベトナムのハノイに滞在していたときは、朝早くから聞こえる車とバイクの走行音に、ひっきりなしに鳴らされるクラクション。
ラオスの農村にいたときは、朝早くから1時間おきにわきおこるオンドリの刻の声と、お隣さんが囲炉裏の火をおこすために、薪を鉈で切るカン、カン、カン、バキッという音(最後のバキッは薪が割れた音)。
で、今ビエンチャンに住んでいるのですが。
朝早く起きると、やっぱりいろんな音がして、それが「人々の暮らし」を感じさせるなあって、最近しみじみ思います。
今日はそんな小話をば。
朝一番は……やっぱりオンドリの声
ビエンチャンって、一応ラオスの首都です。
私がラオスに初めて来た10年前と比べて、車も圧倒的に増え、背の高いビルも(やっとこさ)姿を現しはじめ、随分と「都市」っぽい雰囲気がでてきました。
でも、日本のテレビでも「東南アジアで一番田舎な首都」とか言われるらしいビエンチャンです。
いまだに街中で、ニワトリやらヤギやら牛やら、見かけます。
(オンドリのいい写真がなかった)
特にうちに近所には、「闘鶏」という、賭け事用のニワトリを飼っているおうちがあるため、大体早朝の3時か4時くらいから、まあ聞こえます、聞こえます。
オンドリA「コケッコッコ―!」
オンドリB「(対抗して)コケッコッコ―!!」
オンドリC「コケッ……コ―(やる気のないやつもいる)」
うん。
さすがラオスですね。
市場へ向かうバイクの音
うちの近所には小さな市場があります。
ラオス語で言うところの「タラート」。
だいたいどのタラートも、朝は早い。たぶん5時くらいから開いてるんじゃないでしょうか。
その準備のために。
あるいは、レストランをしている人が、朝の買い付けに。
早朝から活動している人たちが主にはバイクで、ひっきりなしに行き来します。
みなさんご苦労さまです。
卸しもかねている大きな市場だと、それこそ朝の3時くらい、真っ暗な頃から、郊外から野菜や果物、肉などを運んでくるトラックとバイクで、混み合います。
ローカルの市場とか好きな人なら、一度早朝の卸市場へ行ってみると、すごくおもしろいですよ。
ビエンチャンなら、タートルアンの北側の「タラート・フアクア」や、空港を通り過ぎてさらに向こうの「タラート・シーカイ」なんかは、卸市場になっているイメージです。
5時半にいつも流れる、軍隊音楽?
これ、ちゃんとした正体はよくわからないんですが。
なんだか軍隊音楽のような、トランペット基調の音楽が、毎日きっかり5時半に1分間ほど流れます。
近くに軍隊の駐屯所みたいな場所があるので、たぶんそこからなんだろうなと想像しています。
ちなみに、8時にもう一回。
だから、5時半が起床の合図で、8時が始業の合図とか??
日本では、軍隊にしろ自衛隊にしろ、一部の地域を除いては、日常の中でそれほど身近じゃないですよね。
でもラオスでは、街中でも郊外でも、けっこうあちこちに軍の基地やら駐屯所やらを見かけます。
日本に比べて、「軍人さん」というのも、かなり身近です。
6時ごろに聞こえる、お坊さんの読経
首都のビエンチャンでも、各村にはお寺があり、お坊さんが毎日托鉢のために、村の中を回ります。
うちの辺りには、いつも6時ごろにやって来る。
最近の若い人は普段あまり、喜捨もしないようです。
でも年配の人、熱心な人は、毎日お坊さんが来る時間になると、家の前にござを敷いて、蒸したてのご飯やお菓子、果物など用意して待っています。
お坊さんがやってくると、一人一人が肩から下げている入れ物に、喜捨するものを入れていきます。
全員分が済むと、お坊さんたちがお経をあげてくれます。
朝の静かな空気の中に、ふと響く読経の声。
ああ、今ラオスにいるんだなって、思わされます。
朝の音は、その街の顔
こうやって書いてみると、どれも日本じゃなかなか耳にしない音ばかりですね。
すごくラオスの街らしいなって、思います。
あなたの住んでいる街ではどんな音がしますか?
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