ラオスの民族衣装「シン」ってどんな服?

ラオス旅行・生活

海外旅行をすると、日本では見ないような、その土地ならでは服装を目にすることがありますよね。

色、形、模様……本当に様々で、見るだけでも楽しいものです。

 

東南アジアの国ラオスは、50の民族が暮らすと言われる多民族国家です。

当然、民族ごとに、様々な民族衣装があります。

 

その中でも、一番よく目にするのは、女性がはく巻きスカート、「シン」でしょう。

 

今回の記事では、その「シン」について詳しく解説してみます。

 

「シン」ってどんなもの?

シン(ສິ້ນ)は、ラオスで女性がはく巻きスカートのことです。

主には、ラオ・タイ系民族の民族衣装ですが、ラオスではその他にもシンを民族衣装としている様々な民族がいます。

 

この写真のように、膝下~くるぶし丈くらいの長さのスカートで、腰に巻き付けて着ます。

 

ラオスでは、このシンが「正装」となっており、結婚式などの式典はもちろん、役所や学校などでも着用が義務付けられています。

 

通学中の中学生。女子の制服はシンです。

 

大学生もシンを。

 

そのため、民族衣装ではあるのですが、現在でもごく一般的に着られています。

マーケットに行けばシンが山積みに売られている一角があり、その時々の流行の色や模様があったりもします。

 

シンの作りと着かたは?

シンは普通、一枚の布を筒状に縫い合わせた作りになっており、腰に巻き付けてホックで止めて着用します。

 

また、裾の部分を「ティン」、地の部分を「プン」と呼び、上の写真のもののように、別々の生地を縫い合わせる場合と、下の写真のように、一枚織になっている場合とあります。

 

広げると大きな筒状。

 

すぽっと履いて

 

腰に巻き付けて、ホックで止めます。

とっても簡単で、誰でも着られます。

 

シンと合わせる服は?

普段着るならば、どんな服と合わせてもOKです。

Tシャツ、ポロシャツ、ブラウス、なんでもいけます。

 

お役所などでは、シンに同系色のブラウスを合わせている人が多いですね。

 

伝統的には、シンとセットの衣装があって、それを着るのが正式です。

 

北部・ウドムサイのシン屋さんにあった、伝統的な上下の合わせの例。

 

結婚式ならば、シルクのシンに、写真のような形のシルクの服を合わせます。

 

シンの素材は?

シンの多くは、手織りで作られた織物です。

 

農村部へ行くと、あちこちで、軒下で織物をする女性の姿が見られます。

 

素材は化繊からコットン、シルクまで様々ですが、やはり、シルクのものが最も格式が高く、色模様も美しい。

 

高級店の店先に展示されたシルクのシン。

 

シンの値段は?

シンは、普通のマーケットや、街中のあちこちにある専門店で買えます。

 

値段は本当に、ピンキリです。

安いものは500円程度から、高いものは3万円以上するものまで。

公務員の給料が2~3万円程度の国ですので、3万円のシンは、日本でいったら、30万円のスカートってイメージでしょうか?

かなりの高級品ですね。

 

基本的には、化繊<コットン<シルクの順で高くなり、また織模様によっても値段が変わります。

生地の質が良く、織が細かいものほどお値段も高くなります。

 

化繊のお安いものなら、40,000kip(約500円)。

コットンで織りも普通のものなら、10万~20万kip(約1200~2500円)。

シルクや、コットンでも織が複雑なものなら、25万kip~(約3000円~)。

 

普段使いなら、コットンで十分です。

また、お店では普通、布の状態で売られているので、縫製屋さんで体系に合わせて仕立ててもらいます。

仕立て代は、コットンの普通のものなら、40,000~80,000kip(約500~1000円)くらいでしょうか。

 

シンの織模様は、地方によって様々!

シンには、無数に織模様のバリエーションがあり、日々新しい柄も生み出されています。

年ごとの流行もありますし、地方・民族によっても特色があります。

 

模様の基本は、縞模様や三角形、ひし形、花の形などをアレンジしたもので、鳥や鹿などの動物を織り出したものもありますね。

 

北部・ボーケオのルー族の村で。複雑な織模様がきれいですね。

 

北部・シェンクワン~フアパンのものです。

 

中部・観光地でもあるバンビエンの近くの村で織られたシン。

 

南部・サラワンの市場で。右端のような、藍の絞り染めが特徴です。

 

北部・ルアンパバーン、カム族のシンと服。横縞模様がクメール系民族のシンの特徴。

 

北部・フアパン、ポーン族のシン。独特のパッチワーク状の模様が特徴です。

 

中にはこんな、織物ではなく刺繍のシンもあります。

 

もっともっと色々あって、紹介しだすとキリがないくらいです。

私はあんまり詳しくないのですが、好きな人はほんと好きで、外国人でどっぷりはまっている人もいらっしゃいます。

 

ラオスに来たら、ぜひシンを!

ラオスで暮らす機会があれば、女性ならぜひ一枚はシンを持っていたいものです。

模様や色がどちらかというと派手で、最初は着るのが躊躇われたりもしますが、ラオスで着るなら明るい色が吉。

シンをはいているだけで、ラオス人からはとっても喜ばれます。

 

日本に持って帰るなら、地味目の藍染のものなどがいいでしょうね。

 

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