ビエンチャンの定番観光地・タートルアンの知られざる魅力

ラオス旅行・生活

ラオスのビエンチャンに「タートルアン」という金色の仏塔があります。

数少ない観光地のひとつなのですが、いまいち味気ない……というのが本音の場所。

 

ここにどんな魅力があるというのか?

 

 

 

ラオス在住9年目、ビエンチャンに住んで4年になるちこです。
私の家は、タートルアンから10分ほどのところにあります。

 

ガイドブックにも載っている、ビエンチャンの、いや、ラオスの、あまり多くない観光地の中でも、有名な場所です。

 

普通、観光客は昼間に訪れることが多いと思うのですが……。

 

正直、昼だけ見てもタートルアンの魅力はわからない!

 

今日は、そんなタートルアンへの熱い想い(?)を語りたいと思います。

 

タートルアンとは

 

金色の仏塔がシンボル

タートルアン周りの敷地の様子。周囲にはいくつかのお寺がある

 

写真のような、金色の大きな仏塔がシンボルの、ビエンチャンではわりと古いお寺です。

 

この仏塔を囲むようにいくつかのお寺があり、東側のお寺の敷地内には、大きな涅槃像もあります。

また、お寺の中では、仏教関係の壁画も見られます。

 

Wikipediaからタートルアンの歴史を引用しますと、

16世紀、ラーンサーン王国のセーターティラート王の治世に、13世紀初頭に建てられたクメール様式仏塔の廃墟を修復、改築したものだと伝えられている。
(中略)
タート・ルアンは19世紀にタイの侵略を受け破壊されたが、その後再建された。

引用:Wikipedia

 

「History of Laos」というフェイスブックページによると、1566年建築、その後何度も修復が繰り返され、現在の形に改築が終わったのが、1935年ということです。

 

その同じページに、1911年のタートルアンの写真があったので、ちょいと拝借してきました。

 

写真引用:History of Laos

 

周りは森に囲まれ、現在のように整備された広場はなかったようですね。

 

タートルアンの伝承

また、タートルアンには古い言い伝えもあります。

(以下は、聞いた話をちこが物語風にまとめたものです)

 

昔々、ラオスを横切る大河・メコン川には、水を司るナーガ(水龍のようなもの)がいました。

ナーガの中には悪いやつ、日本風に言えば「荒ぶる神」がいて、それがしばしばメコンの氾濫をひきおこしていました。

しかしあるとき、よいナーガと悪いナーガとの間で争いがおこりました。

争いは長く続きましたが、ついに、人間の高僧の助けも得て、悪いナーガを大地の穴に封じることに成功しました。

それから、荒ぶるメコン川は鎮まり、人々に恵みをもたらすようになりましたとさ。

 

今でも、タートルアンの裏側の一角には、ナーガを封じたとされる場所と、それを祀る祠があります。

タートルアンって何がいいの?

こんな風に、わりと古い歴史と由緒のあるタートルアン。

 

ですが、正直に言って、観光地として特に何かおもしろいものがあるわけではありません。

 

金色の仏塔は立派ですが、日本人にとっては、きんきらしすぎて、なんだか情緒がない。
敷地内に、趣向を凝らした展示や興味深い説明があるわけでもなく。

 

かくいう私も、初めてラオスに来てタートルアンを見に来たときの感想は、

 

…………ふーーん。

 

ってな感じでした(笑)

 

 

 

でも、ここ数年、タートルアンの近くに住んで初めて思いました。

 

タートルアン、けっこうええやん。

 

今ではタートルアン大好きです。
朝な夕な、自転車でしょっちゅう行っています。

 

ということで、私が好きなタートルアンの顔を紹介していきますね。

 

タートルアンの魅力!

 

朝、人の少ない、静かなタートルアン。

早朝に行けば、托鉢にでかけるお坊さんたちの姿も。

 

 

夕暮れのお寺。

夕空を背景にヤシの木の影が浮かぶのが、いかにも熱帯のお寺らしい。

 

 

夜、ライトアップされたタートルアン。

古めかしい情緒はないけれど、でも紺色の空に金の仏塔が、素直にきれいだと思います。

 

 

月とタートルアン。

周りに背の高い建物がないので、月と並ぶ姿もよく見られます。

 

 

月とタートルアンその2。

これは、裏側から撮影した姿。

 

 

 

今でも信仰の対象のタートルアン。

 

11月の下旬に催されるタートルアン祭りのときはもちろん、普段の仏日のときにも、朝は托鉢、夜には「ビエンティアン」といって、ろうそくをもってお寺の周りをまわって、祈願をする人の姿がみられます。

 

写真は、今年の中秋の名月の日、ラオスでは「ホー・カオサラーク」と言われる大きな仏日のときのもの。
この日は、祖先を祭る、日本のお盆のような位置づけなんだそうです。

 

ろうそくやお花を、ひっそりと裏口の扉のところへお供えする地元の人たちの姿を見ると、おごそかな空気があり、ふと背筋が伸びます。

 

 

 

広い空の下でエクササイズ。

 

タートルアンの前には、広ーい駐車場のような何もない広場があります。
11月のタートルアン祭りのときに出店がある以外には、ただがらんとしています。

 

ここが、夜には地元の人が集って、思い思いに運動する場になっているのです。
サッカーやエアロビをしたり、友達と連れ立ってウォーキングやジョギングをしたりしています。

 

何よりもいいのは、首都とは思えない広い空!
夜の涼しい風をあびてただ歩いているだけでも、とても気持ちいいです。

 

夜のタートルアンへいこう

観光客が行く昼間のタートルアンって、一番おもしろくないかもしれません。

 

いち押しは、夕暮れどきから夜の時間帯。

昼は閑散としていますが、夜に訪れると、いかに地元の人たちに愛されているかが、よくわかります。

 

まあ、日中でないと、仏塔の中には入れませんけどね。

 

 

ということで、みなさん、ビエンチャンに来られたときは、ぜひ自転車を借りて、夜のタートルアンに行ってみてください。

 

なんなら、サッカーやエアロビをしているラオス人に混ざって運動しても、いい思い出になるかも?

 

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