ラオスに住んで10年目になるちこです。
どの国でも、多くの若い人にとって、恋愛というのは生活の中でも大きなウェートを占める要素だと思います。
東南アジアの国・ラオスでも、10~20代の人たちはみんな恋愛熱心です。
日本では「草食男子」ということが言われて久しいですが、ラオスではまだまだ積極的な「肉食系」が多い。
必然的に、周囲でもしょっちゅう、恋愛の話題で何かしらわきおこります。
フェイスブックでも、やれ失恋したの、やれ喧嘩したの、やれラブラブだの、な投稿が頻繁に流れてきます。
なんでみんなそんなオープンなんだろって、びっくりしますよ。
この記事では、そんな中で徐々に見えてきた、ラオス人の間で一般的な恋愛の流れを紐といてみたいと思います。
一部、日本人とはちょっと感覚が違うところもありますしね。
*この内容、以前に東南アジアの男は浮気性なのか?という記事の中で書いたことがあるのですが、記事の整理・書き直しをかねて、分離させて加筆し、別記事にしました。
ラオス人の恋愛観
「恋愛ネタ」はラオス語で「ルアン・クアム・ハック ເລື່ອງຄວາມຮັກ」
日本人でもラオス人でも何人でも、同じ人間ですからね。
同じような欲求に突き動かされた恋愛に、大した差はないな、というのが正直な印象。
それでも、やっぱり文化の違いや感覚の違いというのは、見られます。
例えば、結婚に対する意識。
東南アジアの国の例にもれず、ラオスの人は全体的に結婚が早いです。
男女とも、農村部なら10代後半から、都市部でも20代半ば、遅くとも30までには、という感じ。
だから、高校生ならともかく、ある程度大人になっていれば、単純に恋愛を楽しんでいる人よりも、結婚を意識している人が多い印象です。
他にも、恋愛初期のころの感覚はけっこう違う気がします。
以前、フェイスブックで「恋愛の段階」という投稿が出ていました。
それによると、恋愛から結婚までには6つの段階があるそうですよ。
ラオス人自身が、そう認識しているってことらしいので、この図に従って解説してみましょう。
1.失恋(パン、オックハック)
前の恋が終わります。
「パン ພັງ」は「壊れる」
「オック・ハック ອົກຫັກ」は「胸が折れる」で「失恋」ということ。
2.恋の始まり・片思い(エープ・マック)
「エープ・マック ແອບມັກ」
誰かのことが気になりだして、でもまだアプローチできていない状態です。
3.デーティング(ロム)
「ロム ລົມ」は、ラオス語で「話す、しゃべる」という意味です。
恋愛における「ロム」は日本語に訳しにくいのですが、ニュアンスを説明すると、
「好意を持っている相手に話しかけ、ときにはデートしたりなどして、互いの気持ちや相性を確かめる」
「アプローチ中」
といった感じ。
欧米でいう「デーティング」ってところでしょうか。
男が女に対してアプローチするのは「ロム・サーオ」、女が男に対しては「ロム・バーオ」。
(サーオが(未婚の)女の子、バーオは(未婚の)男の子のこと)
お互いに好意を持ってアプローチしている状態なら、「ロム・カン」
(「カン」は「互いに」というニュアンス)
昔、携帯などなかったころには、若い男の子は、好きな女の子のところに通っては、「おしゃべり」をして口説き、最終的に結婚を合意を得ていたところからきている言葉のようです。
ある田舎のおじいさんから、こんな話を聞いたこともあります。
若いころ、10㎞近く離れた隣村の女の子を好きになった。
それで、毎日山道を片道2時間かけて歩いて通って、「ロム」した。
彼女はなかなか気持ちを向けてくれなかったけれど、1年間通い続けて、ついに落とすことに成功したのだ、と。
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いやー、今の若い人に、こんなことできる人がどれだけいるのか?
100㎞離れた人とも、携帯でなんの労力もなしに連絡をとれる現代ですからね。
現代の10代・20代の若者は、主にメッセージアプリ(メッセンジャー、ワッツアップ、ウィチャットなど)でメッセージを交換するのが「ロム・カン」の始まりです。
彼らはこのメッセージのやりとりが好きで、チャット並みに、毎日、朝から晩まで、なんらかのやりとりをしている人もいます。
そこから、食事や遊びに誘ったりして、関係を深めていきます。
また、この段階では、男女ともに、複数の相手と「ロム」をしている場合が多いです。
その中から、好きな人、あるいはうまくタイミングが合う人を絞っていって、だんだん本命を決めていきます。
男は、単にヤリ目でロムしている人もいますので、要注意。
4.口説く(チープ)
私はこの「チープ ຈີບ」と「ロムカン」は似たようなものだと思っていたのですが、どうやら違うみたいですね。
ロムのほうが、広く浅く様子見、チープのほうが、もっとマジで口説き中って感じのようです。
酔った男から「チープ・ダイボー」とか聞かれることがあります。
「マジになっていい?」
ってな感じかと解釈しています。
てか、いちいちそういうこと聞くなよって思いますが。
「ダイボー」とは「~していい?」と許可を求める言い方なのですが、ラオス人は恋愛でも、この言い回しを好んで使いますね。
「好きだ」って言うときも、
「ハック・チャオ・ダイボー(好きになっていい?)」
とか。
すごくラオス人っぽい表現だなって思います。
5.付き合う(フェーン・カン)
数週間から1年近いロムカンの期間を経て、ふたりが互いに公認の恋人(フェーン ແຟນ)として合意すると、晴れて恋人同士です。
付き合う、というのを「コップ・カン ຄົບກັນ」とも言います。
友人や家族にも「恋人」だと紹介し、SNSにもツーショット写真をあげたりします。
連絡もほぼ毎日とりあいます。
この段階になると、他の人と「ロム」を続けるのは、普通、許されません。
浮気だとみなされ、恋人からの激しい嫉妬・束縛・制裁の原因になります。
携帯のチェックも普通にするし、簡単には逃げられないよう、互いの携帯やバイクを交換するなんていう強者もみたことがあります。
ただ実際は、最初のまだ関係が安定していないときには、キープとして「ロム」を続ける人も多いです。
その結果、修羅場をむかえることも……?
このあたりのところが、東南アジア人(少なくともラオス人)が浮気性だと言われるひとつの理由なのかもしれません。
(参考記事:ラオス人はやっぱり浮気性なのか?)
6.結婚承諾(ポーム・カン)・結婚(テーン・ガーン)
付き合っていく中で、結婚相手として様子を見ていき、互いに「ポーム ພ້ອມ」すれば、結婚「テーン・ガーン ແຕ່ງງານ」の話が進みます。
ちなみに婚約した場合は「マン・カン ໝັ້ນກັນ」といいます。
このポームも訳しにくい言葉ですが、
「納得している」
「心の準備ができている」
といったニュアンスでしょうか。
年上の彼氏が結婚を焦ってて…とこぼす女の子に「あんたはポームしたの?」ときくと、「まだ」と答えたりします。
はじめは軽く、後はべったりなラオスの恋愛
ここにあげた恋愛の流れが、ラオス以外の東南アジアの国でどのくらいあてはまるかは、よく知りません。
少なくともタイは、似た感じのようですね。
アプローチ中である「ロム」の段階は、けっこうみんな軽いので、同時並行されていたとしても、気にしてはいけません。
ラオス人と恋愛関係になる機会はそうそうないと思いますが、ご参考までに。
コメント
ちょうどラオス人の人落としたいのでとてもありがたいです !
“コイハックチャオ”や”ハックチャオダイボー”の発音はどんな感じなのですか ?
コメントありがとうございます!
ラオス人を口説いて(?)おられるんですね~
発音を文面で説明するのは難しいですね…