ラオスに住んで9年、働きだして5年になるちこです。
9年もいるというと、よっぽどラオスが好きなんだねとか、強く意志があってここにいるのだろうと思われがちです。
でも、自分ではそんな感覚は、ぜんぜんなかったりします。
今までの人生、なんだか流れのまま流されてきているというほうが、よっぽど近い。
ラオスが大好きでここにいるのでもないし(嫌いでもないですが)、
最初に来たときも、それなりに考えて決めはしましたが、でも2つ3つ示された選択肢の中から選んだにすぎません。
まったくの自由意志で、ラオスに来たくて来たわけじゃない。
ラオスで働いているのも、たまたま、そういうご縁、流れがあったから。
でも最近、自分のキャリアの節目にきたと感じています。
これから先、どう働き、どう生きていくのか。
正直、ぜんぜん決められず、おおいに迷っています。
今日は、そんな迷いの中からの、ただのつぶやきです。
海外で働くにも、いろいろな形がある
海外で働くといっても、いろいろな形があります。
ラオスの場合。
おおむね、4つのタイプに分類できるかと思います。
1.公的な立場で
大使館関係や、JICAや協力隊をはじめとした、国際支援関係。
そもそも、ラオスには日本人があまり多くないので、ひっきょう、こうした人の割合が高いように感じます。
彼らの多くは、2-3年の任期付きで来ており、任期が終われば、日本へ、あるいは他の国へ、移っていきます。
2.日本企業からの出向
いわゆる駐在ですね。
期間が決まっている人も、決まっていない人もいるでしょうが、いずれは日本へ戻る前提の人も多いでしょう。
最近、日系企業が少しずつ進出してくる中、徐々に増えつつあるようですね。
3.現地採用
日系企業や現地企業、あるいはNGOなどで採用され、働いています。
2との大きな違いは、雇用契約が終わったときに、日本の本社に移って働くことはまずない点でしょう。
元々タイやシンガポールなど他の国で働いていて、ラオスに流れてきた人も多いように感じます。
4.自分で事業を
レストラン、カフェ、小売店、コンサル、金融業、不動産業……。
こういう人も、9年前、私がラオスに来た当初よりも随分増えているように感じます。
ラオスではカフェ等をオープンするのは比較的簡単らしいですしね。
この中でも、3と4の人の多くは、「いつまでラオスで働き続けるか」、迷う時期がどこかの時点でやってきます。
たとえば、今の私のように。
現地採用で働いた、その先は?
私ははじめ、大学院の研究でラオスに来ました。
その後、ご縁あって、2013年から日系の企業で働きはじめました。
いわゆる「現地採用」という形です。
仕事内容が自分の専門に合っており、待遇もわりとよく、運がよかったと思っています。
でも。
企業にとってもやっぱり、「海外への事業展開」というのは、簡単ではないんですね。
残念ながら、事業がうまくいかず、その企業はラオスの法人を閉めてしまいました。
現在は、残った仕事を片付けているところで、それも今年度いっぱいで終わり。
それじゃあ、その後どうしようと考えたところで。
私ははたと立ち止まってしまいました。
全然、先のビジョンを思い描けない。
ラオスで働き続ける?
幸い、私はラオス語ができるのもあって、現地で別の仕事を探すのは、さほど難しくないと思っています。
でも、新しい仕事についたとして。
任期付きか、あるいは事業と契約が続くかぎりずっとなのかはわかりませんが、私はこれからもずっとラオスで働き続けるのか?
そんな決意をするのは、正直まだ無理です。
じゃあ、日本に帰る?
帰ったとして、一体自分はどんなキャリアを続けていけるのだろう?
普段は仕事でラオス語しか使わないので、英語はとてもビジネスレベルとは言えません。
専門分野も、農林業とニッチ。
しかも、専門といっても現場での技術があるわけでもない。
営業の経験もなければ、マーケティングもわからない。
……日本に帰って、使える人材だとはあまり思えない。
そもそも、自分でも日本で何をしたいのかわからない。
他の国へ行く?
でもそれは、ちょっと環境が変わるだけで、ラオスで働くのと大差ないのではないか。
私の場合、行くとしても、やはり東南アジアの国というのが現実的でしょうから。
数年後、同じ問題にぶち当たるに違いない。
そして、年齢があがるにつれ、選択肢はせばまっていくことでしょう。
今のところ私には、「こうせざるを得ない」という外的要因が、ほぼ何もありません。
両親は幸いまだ健康です。
日本に帰らなければならない理由も、逆に帰りたくない理由も、ありません。
パートナーもいない。
つまり、今後どこでどう働くのか、自分の意志で決めればいいのです。
なんて幸せなことでしょう。
そして……決め手がなさすぎて、決められない。
それもこれも、あまり何も考えず、流されてきたツケですね。
まあ、別に後悔はしてませんけれども。
現地採用で働くなら、将来のビジョンはあった方がいい
何もビジョンを思い描かずに、勢いで海外へ飛び出して働きだすと、私みたいになっちゃいますよ(笑)。
というお話でした。
海外で働くのは、間違いなくいい経験になります。
度胸もつくし、適応力もあがる。
だけど。
それだけです。
海外に出れば、それで何か大きなものをつかめるわけではない。
働くというのは、結局はルーティンの積み重ねなんだと思います。
最初は新鮮でも、だんだんと、何も考えずただ毎日をこなしていくことに、なりかねない。
「こう」という道筋を思い描いていないと、簡単に道に迷ってしまいます。
確たるものでなくてもいいのです。
ぼんやりとでも先々のイメージがあれば、初めに仕事を探すときにも、そこにつながりやすい仕事はなんなのか、という目で就職活動ができます。
キャリアの節目に来たときにも、次のステップを選びやすいでしょう。
まあ、迷うのもそれはそれで人生ですが。
以上、絶賛まどい中の人間からのつぶやきでした。
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