タイ語系のマイナー言語・ラオス語。
日本で暮らしていて、ラオス語を耳にしたことがあるという人は、かなりレアなんじゃないでしょうか。
私がラオスに行きはじめた頃、周りの友達にもよく聞かれました。
「ラオス語ってどんな感じなん?」
そこでよく例にあげていた言葉があります。
それは、
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「ぱにゃにゃーむ」
今日は、いかにもラオス語らしい響きを持つ、この「ぱにゃにゃーむ」という言葉をとりあげたいと思います。
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「にゃ」行の音が頻発するラオス語
ラオス語はタイ・カダイ語族であるとか、声調言語であるとか、学問的にはいくつかの代表的な要素があると思います。
でもそんなお堅い話ではなく、ラオス語を学び始めたとき私が気になったのは、
「にゃ行の音がやたら出てくる」
ということでした。
日本語で、「にゃ」とか「にゅ」というと、猫の鳴き声とか、マンガのかわいいキャラの口癖とかを連想して、どちらかというと「かわいい」「やわらかい」「子どもっぽい」というイメージだと思います。
ところがラオス語では、まったく当たり前に、涼しい顔して、「にゃ」の音が頻発します。
例えば、
「何?」は「にゃん?」
「歩く」は「にゃーん」
「蚊」は「にゅん」
「縮む」は「にょー」
……もえっとしちゃいますね。
「がんばる」は「ぱにゃにゃーむ(ぱにゃにゃん)」!?
極めつけはこれです。
ラオス語で「頑張る」にあたる言葉は、
「ぱにゃにゃーむ」
力抜けそうですね。
全然がんばれません。
私に限らず、この言葉をおもしろがってネタするのは、ラオス語を勉強し始めた日本人あるあるですね。
「ぱにゃにゃん」とか「ぱにゃにゃんだー」という風な表記もよく見かけます。
でも「ぱにゃにゃーむ」は「努力」
ただし、この「ぱにゃにゃーむ」という言葉は、決して「がんばろー!」みたいな軽いノリではありません。
ラオス語の辞書を引きますと、こうあります。
ພະຍາຍາມ(パニャニャーム):
真剣に取り組み諦めないこと
いたって真面目な意味です。
日常で使うときも、どちらかと言うと、堅い文脈、真面目な内容のときに出てきます。
例えば、こんな感じ。
「ພະຍາຍາມສຸດຄວາມສາມາດ(パニャニャーム・スット・クワム・サマート)」(力の限り努力する)
「ບໍ່ພໍຄວາມພະຍາຍາມ(ボポー・クワム・パニャニャーム)」(努力が足りない)
「がんばれ!」は「スースー!」
じゃあ、もっと軽く「がんばれ!」「がんばろう!」と言いたいときはどうするのかというと、
「スースー(ສູ້ໆ)」
をよく使います。
「ສູ້(スー)」は「戦う」という意味。
それを二回重ねることで、口語的なニュアンスで「ファイト!」「がんばれ!」って意味になります。
それでも一度は言ってみたい、ぱにゃにゃーむ
一見やわらかでかわいらしい響きのラオス語ですが、よくよく知っていくと、なかなか奥が深いです。
勉強している人は、途中でめげてしまうこともあるかと思いますが、諦めずに日々コツコツと練習していけば、少しずつ上達していきます。
ということで。
ぱにゃにゃーむ!
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