ラオスの正月・ピーマイのお寺巡りと水かけ騒ぎ

人々の暮らし

東南アジアのいくつかの国では、毎年4月が「お正月」として祝われます。

 

タイのソンクランが有名ですが、その他ラオス、カンボジア、ミャンマー、それからネパールなんかもそうらしいですね。

 

その前後は1週間ほどが公休となり、各地で盛大にお祝いがされます。

たぶん国によって、少しずつ習慣は異なるのだと思いますが。

 

この記事ではラオスのお正月「ピーマイ」の様子をお伝えしたいと思います。

 

ラオスの正月「ピーマイ」あるいは「ソンカーン」

ラオス語ではお正月のことを、

 

「ピーマイ ປີໃໝ່

または

「ソンカーン ສົງການ

 

と呼びます。

 

ピーマイは単純に「新しい年」という意味です。

ソンカーンはタイ語のソンクランとほぼ同じですね。

 

ラオスでは、外国人には「ピーマイ」と呼ばれることが多いですが、ラオス人同士では「ソンカーン」の方がよく使われます。

 

今年2019年のピーマイは、14、15、16日の3日間でした。

日本でいう「3が日」みたいなもので、メインの行事はこの3日間に行われます。

(ちなみに、タイは13、14、15日だったそうなので、なぜか1日ずれていますね)

 

14日が去年の最後の日、「ワン・ルアン」

15日がどちらの年にも属さない狭間の日、「ワン・ナオ」

そして16日が新年の最初の日「ワン・クン」

 

なんだそうです。

狭間の日ってなんか不思議ですね。

その日に生まれた子供は、古い暦では何年生まれになってしまうのか。

 

挨拶の言葉は「ソークディー・ピーマイ」

この日が近くなると、職場などでは忘年会が開かれ、

人々はお互いに「ソークディー・ピーマイ ໂຊກດີປີໃໝ່=よいお年を」と声をかけ合います。

 

ちなみに、お正月中の飲み会での乾杯の言葉も、この「ソークディー・ピーマイ」です。

そして、年が完全に明けると、「サバイディー・ピーマイ」。

 

この時期はとにかく、あちこちでひたすら飲み会です。

 

日本のような特別な「お正月料理」はないようですが、この日のためにブタやらヤギやら仕入れておいて、朝じめで料理する…なんて場面も見られます。

 

ラオスのピーマイも「水かけ正月」

タイのソンクランが別名「水かけ祭り」と呼ばれるように、ラオスでもこの正月には水をかけ合います。

古い年の悪いものを洗い流し、新年にはよきものだけが入ってきますように、ということだそうです。

 

 

あとは、最近の習慣として、このピーマイの時期にはみんななぜか「アロハシャツ」を着ます。

去年は果物柄を多く見ましたが、今年は葉っぱ系がトレンドだったようです。

 

水かけ用の道具やプールなどと合わせ、数週間前から、道端のあちこちで、ピーマイグッズが売られだします。

携帯や財布を入れる防水のビニールのバッグは必需品です。

 

お寺で仏さまに水かけ「ソンパ」

このピーマイの時期には、多くの人がお寺へいき、仏さまへ水をかける「ソンパ ສົ່ງພະあるいは「ソンナム・パ ສົ່ງນ້ຳພະをします。

 

たぶん水かけの最初は、このお寺での行事だったんでしょうね。

仏さまに水をかけ、お坊さんが水をかけてくれる。

 

ばっしゃーなんて勢いではなく、葉っぱやお花を水に浸して、それをふりかける感じです。

確かに清められる気がしますね、うん。

 

 

また、日本と同じでおみくじをしたり、

 

 

お守りとして、お坊さんから手首に紐を巻いてもらう「マット・ケーン」をします。

 

これにより、1年の健康と繁栄を祈願するのです。

 

 

さらに、ビエンチャンでは、「ソンパ ガオ・ワット」と言って、9つのお寺を回り、この「ソンパ」をしたりもします。

(各村にひとつお寺があるので、ビエンチャンには無数のお寺がひしめいています)

 

「9ガオ」というのが、「前身するガーオ」という言葉の音とかけて、ラオスでは縁起がいいとされているのです。

今年は私もやりましたが、2時間くらいかけて9つのお寺を回りました。

 

街中はクレイジーな「水かけ」で大騒ぎ

街中では、友達同士や親戚で集まって、あちこちで飲んで踊って水をかけまくるお祭り騒ぎが繰り広げられます。

 

 

自分たちだけではありません。

 

 

通りすがりの人にも、

バイクにも、

車の荷台に乗っている人にも。

 

とりあえず水をかけまくります。

 

 

水でっぽうで。

バケツで。

なんなら、ホースからも。

 

容赦なく水をかけ合うさまは、もうお祝いというか、ただの「水かけ騒ぎ」ですね。

このピーマイ中の水の消費量は、一体どのぐらいなのか。

 

でも、1年で一番暑いこの時期に水をかけると気持ちいいのはわかります。

なんせ、日中の気温は連日38度越え。40度になる日もざらです。

 

 

おりゃー。

ばっしゃーー。

冷てーーー。

 

うん。楽しいですね。

でもバイクの運転中にかけられるのは、正直ちょっと怖いですけどね。

 

 

去年は、車の荷台にタンクをつんで、地上部隊との戦争のごとく、水かけ合戦をする集団もいましたが、今年は警察から禁止令が出たので、まだおとなしいもんでした。

 

ピーマイ中には、必ず雨が降る

このピーマイの水かけは、一年で一番暑く乾燥した時期に行われます。

そして、ピーマイの期間には、必ず雨が降ると言われています。

 

ちなみに、今年も最終日の明け方に降りました。

 

 

これは勝手な私の想像ですが、

この「水かけ」には、これから始まる雨期にちゃんと雨が降りますように、という雨乞いのような意味もこめられているのかなあ、と。

 

そんなことを想像しながら、今年のピーマイもひたすらびしょびしょになったのでした。

コメント

  1. マンゴー より:

    ソークディーピーマイ
    こちらはもうすぐソークディーゴールデンウィークです

    • Chiko Chiko より:

      日本もある意味、ソークディー・ピーマイですよね。
      令和元年。