東南アジアで麺を食べよう ~発酵米麺・カオプン編

ラオス料理

こんにちは。麺類大好き、ちこです。

 

日本には、うどんに蕎麦、そうめんにラーメンなどなど、いろいろな種類の麺がありますよね。

 

東南アジアでも、やはり何種類もの麺料理があり、国がお互い地続きなだけに、各国に共通したものもあります。
その一方で、食べ方は少しずつ異なったりして、地域ごとに違う発展をしてきたことが垣間見えます。

 

食べておいしい、比べておもしろい。
そんな愛すべき麺類。

 

今回は、その中でも米を発酵させてつくる麺、ラオス語でいう「カオプン」を、ベトナムやタイのものと比較しつつ、とりあげたいと思います。

 

発酵米麺・カオプンとは?

カオプンの麺

 

ラオス語で「カオプン ເຂົ້າປຸ້ນ」と呼ばれる、こうした白い生麺のことです。
うるち米を粉にして、水につけて発酵させ、それからこねて成形して、麺にします。

 

カオプン・ナムチェーオ

様々な野菜とともに

 

暖かいスープをかけ、刻んだバナナの花やキャベツ、もやしなどの野菜や、ハーブを入れて食べます。

 

スープには、魚ベースの「ナム・パー」、牛骨だしの「ナム・チェーオ」、ココナッツミルクベースの「ナム・カティ」やショウガ風味の「ナム・キン」など、様々な種類があります。
(写真は「ナム・チェーオ」)

 

お店で食べるときは、モツを入れることが多いです。
はじめて自分で食べたときは、「好きなモツ選んで」と言われてちょっと焦りました。
どのモツがおいしいかとか、よく知らないし。

 

好きなモツを選んで入れます

 

 

また麺として食べる以外にも、様々な場面で登場します。
焼いた魚や肉を菜っ葉で包む料理には、ハーブと一緒にこの「カオプン」がついてきます。

 

また、近年では、「タム」というスパイシーサラダ、タイ語で言う「ソムタム」のカオプン版「タム・カオプン」などもあります。

 

スパイシーなタム・カオプン

 

 

さて、このカオプン。

もともとハレの料理だったのでしょう。
お祭り・結婚式では必ずと言っていいほど、出てきます。

 

昔は米を粉にして麺にするところから、ぜんぶ家庭で作っていたといいます。
この麺が一体いつごろからあったのかはわかりませんが、ラオス人にきくと、様々な麺の中でも一番古くからあるのが、この「カオプン」だろうということです。

 

農村部では、今でも「カオプン」のための米の品種まであるので、少なくとも何百年くらいの歴史はあるんじゃないかと想像しています。

 

ベトナムでは「ブン」

ベトナムにも、同じタイプの麺があります。
名前は「ブン bún 」。

 

たぶん、「カオプン」と語源を同じくするんだと思います。
カオプンの「カオ」は米のことで、「プン」が「ブン」に通じますので。

 

朝ごはんにブンを

麺が太めのブン・ボー・フエ

 

ベトナムでは、汁ありと、汁なし(ブン・チャーが有名ですね)タイプがあります。

 

汁ありの場合、スープはラオスほど多様ではなく、基本、写真のような牛骨ベースの透明なスープです。

 

汁なしの場合は、ニンジンやパパイヤのピクルスを入れた甘酸っぱいタレにつけたり、豆腐と一緒に食べる「ブン・ダウ」では、「マム・トム」というエビの発酵ソースにつけて食べます。

フエ名物だという「ブン・ボー・フエ」には、少し太めの麺が使われています。

 

朝食か昼食として食べることが多いようですね。

 

 

また、ラオスと同じで、肉などを菜っ葉で包んで食べるとき、この「ブン」も一緒についてくることが多いです。

 

タイでは「カノム・チーン」

タイにも、同じタイプの麺があります。
それが「カノム・チーン ขนมจีน」。

名前は、カオプンやブンとはまったく関係なく、直訳すると「中国のお菓子」。

 

実は、私は話に聞くばかりで食べたことがないので、ネットで調べてみました。
すると、タイ版ウィキペディアに詳しい説明が出ていましたよ。

 

 

私がここでごちゃごちゃ書かなくても、これを訳したら十分なくらい詳しい……。
さすがタイ。

 

とりあえず、その説明をひいてみます。

カノム・チーンとは料理の一種。粉を丸い麺状にしたもので、、セン・ミー(中華麺)にも似ており、ナム・ヤー、ナム・プリックなどとともに食する。この料理は、北部方言では「カノム・セン」、イサーン方言では「カオ・プン」、南部方言では「カノム・チーン」という。

筆者訳、引用ーWikipedia

 

イサーンの人はラオ系の人たちなので、イサーン方言ではやはり「カオプン」というみたいですね。

 

タイに詳しい方に聞くと、タイでは生麺よりも乾麺をゆでたものが主流なのだとか。

ウィキペディアにも、発酵麺のほうが伝統的だが作るのが難しいので、現在は発酵させない麺のほうが多いと書かれています。

 

写真や説明を見るかぎり、辛いタレやカレーのようなものをかけて食べるみたいですね。

 

発酵米麺はカンボジアやミャンマーにもある

私は寡聞にして、この3国のものしか知りませんでしたが、タイ・ウィキペディアによると、カンボジアやミャンマーにも、類似の麺があるそうな。

 

ふむふむ。

一度食べてみたいですねえ。
それぞれ、かけるスープやタレに違いがありそうです。

(カンボジアやミャンマーの麺、ご存知の方がいたらぜひ教えてください)

 

東南アジアに来たら、発酵米麺を食べてみよう!

ベトナムのブンと比べると、ラオスのカオプンは日常的に食べるものではないせいか、レストランもあまり多くはありません。

 

でも、ラオスでは一番伝統ある麺料理。

街中の観光エリアにも何軒かあるので、見つけたらぜひ味わってみてください。

 

そして、東南アジアの国々をめぐる機会があれば、各国の発酵米麺を比べてみると、食文化の違いが感じられて、おもしろいんじゃないかと思います。

 

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