昨年の2018年7月、ラオス最南部の県アッタプーで、大雨のためにダムが決壊し、下流の村々が甚大な洪水被害を受けました。
日本でもニュースになっていたので、ご存知の方も多いかと思います。
洪水があった当初は、ラオス人のフェイスブックの間でも様々なニュースや写真があがって全国的に注目を集め、募金活動なども行われました。
しかし約8か月がたった今、話題にのぼることもほとんどなくなりました。
現地は今、いったいどんな様子なのか。
知りたいと思っても、情報の少ないラオスでは知る方法もありません。
ですが、先日たまたま、アッタプーを訪れる機会を得ました。
この記事を書くかどうか、迷った
最初にちょっとだけ言い訳めいたことを書きます。
この記事は、ダム決壊に関する経緯の解説も、被災地の様子を細かく言葉で伝えることも、しません。
それを期待して読みはじめた人がいたら、申し訳ないと思います。
実はそもそも、この記事を書くかどうか、とても迷いました。
それは、私が現在ラオスに住んでいるからで、余計なリスクを負いたくないからです。
どの国にも、いろいろな事情がありますからね。
私が気にしすぎなだけかもしれませんが、念のため。
それでも、自然災害の多い日本という国に生まれた人間として、被災地の様子というのは、どうしても気になります。
だから、やっぱり書くことにしました。
写真と文間から、現地の雰囲気を読みとってもらえたらなと思います。
乾燥した平地、まばらな森、そしてゆるやかな川
ラオス最南部に位置するアッタプーはカンボジアやベトナムと国境を接し、ゆるやかな丘陵と、砂がちな痩せた平地が広がっています。
特に3月から4月は1年でもっとも暑く、乾燥した季節。
辺りは茶色く枯れ、舗装されていない道路をゆくと、もうもうと砂ぼこりが立ち込めます。
その間をうねって流れる川は、メコンの支流。
現地の言葉で「ナム・セー」と呼ばれます。
雨季に訪れれば、青々とした水田と草地が広がることと思います。
洪水のあと
セーピアン川。
この上流にダムがあります。
ここは、まだ被害が小さかった場所です。
それでも、村に人影はほとんどありませんでした。
戻ってきているのは、ごく一部の人たちだけ。
避難キャンプに暮らしてい人もまだ多くいます。
コメント