似ているようで、ちょこちょこ違うラオス語とタイ語。
その違いをつかめれば、ひとつの言葉を学ぶことで、ふたつの言葉が使えちゃう。
ちょっとお得な気がします。
実際に、タイ⇒ラオスと移住・転職してくる人も、少なくありません。
言葉の融通がききますからね。
今回はその中でも、なかなかニュアンスをつかみにくい「語尾」の表現に注目してみました。
こんにちは。タイ語を勉強中のちこです。
以前の記事では、ラオスでのタイ語事情や、ラオス語とタイ語の違い・疑問詞編などをまとめました。
ラオス語とタイ語。
最初は、もっと似ていると思っていたのですが、勉強するうちに、細かいところはけっこう違うなあと感じてきました。
やっぱり、親類同士とは言え、違う言語なんですね。当たり前ですが。
今回は「語尾の言い回し」に着目してみます。
日本語で言う、
「~~ですよね」
「~~じゃん」
みたいなところですね。
それ単独では意味はないけれど、文章の最後にくっつくことで、文章にあるニュアンスを加える言い回し。
タイ語でもラオス語でも、色々あります。
最初はなかなかその意味を理解しづらいですが、使いこなせるようになれば上級者です。
なにはともあれ、個別に見てみましょう。
タイ語やラオス語を勉強中の人にも、参考になるんじゃないかと思います!
↓↓特にラオス語について知りたい人は
1.表現をやわらげる
日本語で言う、「~~ですね」の「ね」のように、印象をやわらげる表現です。
ラオス語ではよく「ເດີ້ ドゥ―」を、タイ語では「นะ ナ」を使います。
文例:「ありがとうね」
ラオス語
ຂອບໃຈເດີ້ コープチャイ・ドゥ―
タイ語
ขอบคุณนะค่ะ コープクン・ナ・カ
ラオス語では「ນໍ່ ノー」もよく使います。
表現を丁寧にする感じ。
文例2:「いいですね」
ラオス語
ດີນໍ່ ディー・ノー
2.意味を強める
文例1:「ほんとかわいいね!」
ラオス語
ໜ້າຮັກແທ້ເດ່ ナーハック・テーデー
タイ語
หน้ารกจัง ナーラック・チャン
ラオス語の「ແທ້ テー」、タイ語の「จัง チャン」は、「本当に」という意味。
いろんな言葉と一緒に使えます。
文例2:「むっちゃ疲れたわ」
ラオス語
ໂຄດເມື່ອຍເລີຍ コート・ムアイ・ルーイ
タイ語
โคดเนื่อยโวย コート・ヌアイ・ヴォーイ
語尾だけでなく、頭についている「コート」も、後に続く言葉を強調する表現ですね。
3.お願いする・許可を求める
ラオス語では、語尾に「ແດ່ デー」あるいは「ແນ່ ネー」をつけると、お願いの表現になります。
タイ語では、これに対応するような特定の語尾はないみたいですね。
文例1:「助けて!」
ラオス語
ຊ່ວຍແດ່ スワイ・デー
タイ語
ช่วยด้วย チュアイ・ドゥアイ
文例2:「見ていいですか?」
ラオス語
ຂໍເບິ່ງແນ່ コー・ブン・ネー
タイ語
ขอดูนะ コー・ドゥ―・ナ
4.何かを薦める
文例1:「食べちゃってよ」
ラオス語
ກິນລອດ キン・ロート
タイ語
กินเลย キン・ルーイ
似た表現で、もう少し上からいう言い方もあります。
お母さんが子供に言うときのような。
文例2:「食べなさいよ」
ラオス語
ກິນແມ້ キン・メー
タイ語
กินสิ キン・シ
5.不満やいらだちの気持ちをこめる
文例1:「なんやて?」
ラオス語
ແມ່ນຫຍັງເກາະ メンニャン・コ
タイ語
อะไรวะ アライ・ワ
文例2:「そんなん、どうやってできんの?」
ラオス語
ໄດ້ແນວໃດຫວະ ダイ・ネオダイ・ワ
タイ語
ได้ย่างไงเลา ダイ・ヤーンガイ・ラオ
6.やんわり断りたい
ラオス語では「ນ່າ ナー」という言葉を、ちょっと言い辛いことの表現をやわらげるために、よく使います。
文例:「あんまり行きたくないんだよなー」
ラオス語
ບໍ່ຢາກໄປປານໃດນ່າ ボ・ヤーク・パイ・パーンダイ・ナー
タイ語
ไหมยากไปเท่าไรหวะ マイ・ヤーク・パイ・タオライ・ワ
7.念押し・確認する
ラオス語では「ເນາະ ノ」、「ຕິ ティ」あるいは「ຕວ່າ トゥアー」を使います。
「ノ」は「~だよね」と念押ししたり、「~しようよ」と誘う意味でも使えます。
「ティ」と「トゥアー」は「~やん」「~やないの?」と確認するニュアンス。
このふたつは似ていますが、「トゥアー」のほうが、内容に確信がない感じですね。
タイ語では、対応する語尾表現はなさそう。
文例1:「行くよね」
ラオス語
ໄປເນາະ パイ・ノ
文例2:「わかってるやんな」
ラオス語
ຮູ້ລະຕິ フー・ラ・ティ
タイ語
รู้แล้วใช่ไหม ルー・レーオ・チャイ・マイ
文例3:「ええんちゃうの?」
ラオス語
ໄດ້ຕວ່າ ダイ・トゥアー
8.いくつか例をあげてもらう
ラオス語では「ແດ່ デー」、タイ語では「บ้าง バーン」をつけることで、いくつか列挙してもらうニュアンスになります。
レストランで、どんなメニューがあるのか聞くときなどに使えますね。
例文:「何がありますか」
ラオス語
ມີຫຍັງແດ່ ミー・ニャン・デー
タイ語
มีอะไรบ้าง ミー・アライ・バーン
タイ語とラオス語、それぞれの言い回しがある
まだまだ語尾の表現はありますが。
とりあえずは、こんなところでしょうか。
タイ語の先生にいろいろ質問しながら思ったのは、
「ラオス語とタイ語の表現、意外と対応しない!」
ということです。
ラオス語にはあるけど、タイ語にはしにくい。
逆に、タイ語ではよく使うけど、ラオス語ではぴったりくる表現がない。
こうした語尾の表現って、完全に口語なので、時とともにどんどん変化しそうですし、タイ語とラオス語で独自の進化をしてきたんでしょうね。
日本語の方言でも、語尾の表現は地方によって様々ですもんね。
そして、大阪弁つかったほうがラオス語を訳しやすい!
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