ラオス語とタイ語、ちょっとした違い~食べ物編

ラオス料理

似ているようでやっぱり違う、ラオス語とタイ語。

 

ラオスではタイ語を解する人が多いので、タイにいた人がラオスに来るハードルは、かなり低いです。

(この辺りの事情は、以前の記事、ラオスのタイ語事情も参照ください)

 

でもその逆、ラオス→タイの移住は、もうちょっと言葉に注意が必要。

なにせ、一部の地域をのぞき、タイでラオス語をしゃべってもあまり通じないですからね。

 

ラオス語だけでなくタイ語もちゃんと覚えておきたい!

という個人的動機もあって、タイ語とラオス語の違いをまとめています。

 

今回は、日常でよく使って、しかも違いの多い食べ物の言い方についてまとめました。

自然・文化的にも似ていて、共通するものが多いだけに、けっこうややこしいですね。

 

 

↓↓これまでの記事。タイ語・ラオス語を勉強中の人にもどうぞ。

ラオス語とタイ語の違い~疑問詞編
ラオス語とタイ語の違い~語尾編
ラオス語とタイ語の違い~人称編

 

食べ物の基本用語

 

・ごはん・お米

ラオス語:ເຂົ້າ カオ

タイ語:ข้าว カーオ

 

微妙な違いですが、ちょっと異なります。

 

・(うるちの)炊いたご飯

ラオス語:ເຂົ້າຈ້າວ カオ・チャーオ

タイ語:ข้าวสวย カオ・スアイ

 

・トウガラシ

ラオス語:ໝາກເຜັດ マーク・ペット

タイ語:พริก プリック

 

タイでもラオスでも、辛い料理が多く、トウガラシはかかせません。

これもタイ語とラオス語で違います。

 

・辛みそ・ディップ

ラオス語:ແຈ່ວ チェーオ

タイ語:น้ำพริก ナム・プリック

 

ご飯のお供にかかせない、トウガラシベースの辛いペースト。

タイよりもラオスのほうが、いろんな種類の「チェーオ」を食べるイメージですね。

 

料理の名前

 

・パパイヤサラダ

ラオス語:ຕຳໝາກຫຸ່ງ タム・マークフン

タイ語:ส้มตำ ソムタム

 

・米麺(フォー)

ラオス語:ເຝີ フー

タイ語:ก๋วยเตี๋ยว クイッティアオ

 

ラオスではベトナムのフォーと同じ名前(発音もほぼ一緒)、タイのものは中国語由来だとか。

 

・春雨

ラオス語:ເສັ້ນລ້ອນ セン・ローン

タイ語:วุ้นเส้น ヴン・セン

 

・中華麺

ラオス語:ໝີ່ເຫຼືອງ ミー・ルアン

タイ語:บะหมี่ バミー

 

・おかゆ

ラオス語:ເຂົ້າປຽກເຂົ້າ カオピアック・カオ

タイ語:ข้าวต้ม/โจ๊ก カオ・トム/チョック

 

ラオス語で「カオ・トム」というと、もち米をバナナの葉で包んで料理したお菓子のことになってしまいます。

 

・フライドチキン

ラオス語:ຈືນໄກ່ チューン・カイ

タイ語:ไก่ทอด カイ・トート

 

最近は、ラオスでも揚げ物に「トート」という言葉を使いますが。

 

・焼き鳥

ラオス語:ປິ້ງໄກ່ ピン・カイ

タイ語:ไก่ยาง カイ・ヤーン

 

・春巻き

ラオス語:ແໜມ ネーム

タイ語:ปอเปี๊ยะ ポーピア

 

これも、ラオス語の名前はベトナム語由来、タイ語は中国語由来だそうです。

 

軽食・飲み物系

 

・コーヒー

ラオス語:ກາເຟ カフェー

タイ語:กาแฟ カフェー

 

すごく微妙なんですが、母音がちょっと違います。

 

・パン

ラオス語:ເຂົ້າຈີ່ カオ・チー

タイ語:ขนมปัง カノム・パン

 

・揚げ菓子

ラオス語:ຂະນົມຄູ່ カノム・クー

タイ語:ปาท่องโก๋ パートンコー

 

朝にコーヒーやおかゆと一緒に食べる、軽めの揚げパン。

これまた、タイ語の名前は中国語由来。

 

・アイスクリーム

ラオス語:ກະແລ້ມ カレム

タイ語:ไอศกรีม アイサクリーム

 

ラオス語はフランス語由来、タイ語のものは英語由来。
この辺に、歴史的な経緯が垣間見えますね。

調味料

・味の素

ラオス語:ແປ້ງນົວ ペーン・ヌア

タイ語:ผงชูรส/อายิโนะโมะโต๊ะ ポン・チューロット/アジノモト

 

タイやラオスの料理には、大概、味の素が入っています。

最近は、「反味の素派」のラオス人なんかも見るようになりましたが…。

タイでは「アジノモト」でも通じるみたい。

 

・魚醤(ナンプラー)

ラオス語:ນ້ຳປາ ナムパー

タイ語:น้ำปลา ナムプラー

 

・魚の発酵ソース

ラオス語:ປາແດກ パデーク

タイ語:ปลาร้า プララー

 

ラオスやタイの東北地方では、ナンプラーではなく、川魚を発酵させたどろどろの液状の調味料を料理に使います。
独特のくさみがありますが、慣れるとこのうまみがたまらない。

 

その他野菜・果物

野菜や果物など植物の名前は、タイ語とラオス語でけっこう違うようです。

全部あげているとキリがないですが、ここでは代表的なものだけ。

 

・トウモロコシ

ラオス語:ສາລີ サリー

タイ語:ข้าวโพด カオ・ポート

 

最近ラオスでは、タイの品種の飼料用トウモロコシも栽培されるようになってきています。

すると、その品種は「サリー・カオポート」とか呼ばれて、もう何が何なんやら。

 

・パイナップル

ラオス語:ໝາກນັດ マーク・ナット

タイ語:สับปะรด サッパロット

 

・パパイヤ

ラオス語:ໝາກຫຸ່ງ マーク・フン

タイ語:มะละกอ マラコー

 

・トマト

ラオス語:ໝາກເລັ່ນ マーク・レン

タイ語:มะเขือเทศ マクア・テート

 

・カボチャ

ラオス語:ໝາກອຶ マーク・ウ

タイ語:ฟักทอง ファック・トーン

 

ラオスでも、北部ではマーク・ファックと言います。

 

・コリアンダー(パクチー)

ラオス語:ຜັກຫອມປ້ອມ パック・ホーム・ポーム

タイ語:ผักชี  パック・チー

 

ラオス語で「パクチー(パクシー)」というと、ディルという別のハーブのことになります。

 

・レモンバーム

ラオス語:ຜັກຫອມລາບ パック・ホームラープ

タイ語:สะระแหน่ サラネー

 

ミント風のハーブ。ラオスでは、「ラープ」という料理に欠かせません。

そのため名前も「ラープのハーブ」という意味です。

 

・タイバジル

ラオス語:ບົວລະພາ ブアラパー

タイ語:โหระพา ホーラパー

 

・レモンバジル

ラオス語:ຜັກອີ່ຕູ້ パック・イトゥー

タイ語:แมงลัก メーン・ラック

 

さわやかなレモンの香りがするバジル。

 

まとめ

こうして見ていくと、すごく基本的なものの名前が違ったりしますね。

トウガラシとか。

ごはんとか。

 

他にも、ラオスはベトナム語由来のものや、フランス植民地時代の影響も垣間見えますし、

一方タイでは、中国語由来のものも多いようです。

 

言葉には歴史があらわれて、おもしろいですね。

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