ラオスに来ると、一度は食べたい料理のひとつ「タムマークフン」。
「青パパイヤのすっぱ辛いサラダ」です。
以前、定番のラオス料理という記事や、ラオスで最近流行のローカルフードという記事でも、この「タムマークフン」に代表される「タム」という料理について触れました。
でも、それだけじゃ語り足りないと思って、タムのための記事を書いてしまいました。
「タム」って何?
ラオス料理の中に「タムソム」というジャンルがあります。
ຕຳສົ້ມ タムソム
小さめのうすときねをつかって、軽く叩きながらつくる、すっぱ辛いサラダ。
(タム:叩く、ソム:すっぱい)
ラオス人は略して「タム」と呼びます。
タイのイサーン料理「ソムタム」とも通ずるものがありますね。
様々な食材で作られるのですが、メインの食材名を後につけて、料理名にします。
パパイヤ:タム・マークフン
カオプン(米麺):タム・カオプン
貝:タム・ホーイ
カニ:タム・プー
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この写真の中央のように、うすときねが見えればそれは、「タム」の食べられる店である印
です。
ご飯のおかずや飲みのおつまみとしてはもちろん。
ちょっと小腹がすいたときに。
夜、メコン川沿いへ遊びに行ったときに。
いや、特に何もないときでも。
「パイ、パイキン・タム!」
「な、タム食べに行こ!」
ラオス人はそう誘ってきます。
田舎の農村でも、都市部のようにタムのお店はなくとも、
誰かが、
「タム食べたい」
(場合によっては「ソム食べたい」とも)
と言い出せば、庭に生えているパパイヤやキュウリをもいできて、同じようにすっぱ辛いサラダを作りはじめます。
そして、みんなでひとつのお皿を囲んで、「辛い辛い」とか言いながら、この「タム」をつつきます。
それくらい、ラオス全国、どこでもみんな大好き、もはやラオス人の「ソウルフード」と言っても過言ではない料理です。
タムの作り方基本
タムを代表して、青パパイヤのサラダ「タムマークフン」の作り方を解説します。
材料
作る人によって、もっと色々な具材を入れたりしてバリエーションがありますが、基本の食材・調味料はこれ。
千切りパパイヤ
ミニトマト
生トウガラシ
ニンニク
ライム
魚の発酵ソース「パデーク」
(なければナンプラーで代用)
砂糖
味の素
(あれば)エビの発酵ペースト「カピ」
意外とシンプルです。
日本で作る場合は、キュウリとニンジンで作ってもおいしいですよ。
使う道具はこれ。
1.下ごしらえ
まだ熟していない、青パパイヤの皮をむいて、千切りにします。
ちなみに、まな板は使いません。
こうやって、包丁をパパイヤの表面にたたきつけて、切れ目を入れます。
そして、それを薄くそいでいけば、粗めの千切りになります。
2.トウガラシとニンニクをよくつぶす
うすに、好きな数のトウガラシと、ニンニクをひとかけ入れます。
ここではトウガラシが5本入っていますが、一般的な日本人なら1本で十分です。
5本とか、火を噴きます。
このとき、カピも一緒にいれます。
そして、細かくなるまでよくつぶします。
ついで、砂糖、味の素を入れ、さらにつぶしながら混ぜます。
3.パパイヤを入れ、軽く叩く
次に、千切りパパイヤを入れ、今度は軽く叩きながら混ぜます。
つぶす必要はありません。
さらに、ミニトマトを小さめに切って入れ、これも軽く叩きます。
4.パデークを投入し、ライムをしぼる
魚を発酵させた調味料・パデークの液体部分だけ入れ、さらに叩きながら混ぜます。
最後に、ライムを半個分ほどしぼって、軽く混ぜて、完成。
そんなに難しそうじゃないですね。
でも、この味加減が意外と難しくて、おいしいタムを作るには熟練の技が必要です。
ポイントは、思ったよりもたくさん「魚の発酵ソース・パデーク」を入れること。
単体では雑巾くさいパデークも、料理に入れるとあら不思議。
うまみたっぷりの万能調味料になります。
進化を続けるタム
10年ほど前には、タムのメニューと言うと、
青パパイヤ
キュウリ
ササゲ
青バナナ
カオプン(米麺)
くらいなものでした。
ところがここ数年、「タム」は急激に進化しています。
この写真は、あるお店の壁にはられていたメニュー。
なんと、ひとつをのぞいて、全部タムの種類です。
暇なので訳してみましたよ。
横の数字は値段で、1,5000kipで約200円くらい。
(字が小さいので、興味ある人は拡大して見てくださいね)
イカのタムがふたつあるのは、うっかりしてたんでしょうね。
というか、ちらほら、意味がわからない。
鶏足のタムが20,000kipで、おいしい鶏足のタムが10,000kipって、いったいどういうことでしょうね?
うーん。さすがラオス。
ちなみに、これだけあって、まだ全部網羅していません。
マンゴーのタムとかもあります。
カニのタム、タム・プー
いろんな食材がごっちゃになった闇タム、タム・ムア
タムの奥は深く、底知れない
たぶん、これからもさらに、進化メニューが出てくるんじゃないかと予想されます。
タムはそれくらい、ラオス人に愛されているってことです。
確かに、タムはおいしい。
脂っこくなくて、すっぱ辛いお味は、熱帯であるラオスの気候にもあっているのかもしれません。
ラオスに来たら、ぜひタムの全制覇にチャレンジしてみてはどうでしょう。
辛いのが苦手な人は、注文するときに「辛くしないで」と伝えるのをお忘れなく!
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