熱帯の春を彩る花々~まとめ

森と生きもの

2021年の春になっても、終息の兆しが見えないコロナ禍。

でも、自然は粛々といつも通りの営みを続けています。

 


 

昨年の4月にはロックダウンしていたラオス・ビエンチャンですが、その後はほとんど感染者も出ず、国外に出られない他は、平穏な1年間を暮らしていました。

が、ここにきて、この4月のラオス正月をきっかけに、突然感染者が急増しています。

22日からは、全国で再びロックダウン。今回は、一体いつまで続くのか、皆目見当もつきません。

 

そうした人間界の騒ぎなどどこ吹く風で、今ビエンチャンの街は、花盛りです。

雨期を前にして、次世代の種を残すために、木々が熱帯らしい鮮やかな花を咲かせています。

 

花だけでなく、繁殖期の鳥が明るい声で鳴き、羽化したばかりのチョウが舞うさまを見ていると、ああ、「春」なんだなと思わされます。

そんな風景を眺めていると、少し心が明るくなるような気がしますね。

まあ、日中の気温は40度近くまであがり、日本の春に比べると、ちっとも「春」という感じではありませんが。

(そういえば2年前にも、熱帯の春の話を書いたことがありました)

 

ここでは、ラオスに限らず東南アジアの街で、春ごろ(3-5月ごろ)によく見かける花々を、紹介したいと思います。

また別記事で、それぞれの詳しい特徴などをご紹介していくつもりです。

(花の名前をクリックすると、詳細記事に飛びます)

 

燃え盛る花、ホウオウボク

<ホウオウボク>

Delonix regia

マメ科の木で、翼を広げた鳳凰のような、赤色の花を咲かせることからつけられた名です。

4-5月ごろに花を咲かせます。

ラオス語名は、「ドーク・ファーン(ດອກຝາງ)」

英語ではFlame tree、訳せば「炎樹」とでもいうんでしょうか。

緋紅色の花で覆われた姿は、まさに燃えているようですね。

 

ラオスの国花、プルメリア

<プルメリア>

Plumeria spp.

キョウチクトウ科の木で、濃緑の細長い葉に、ぽってりとした花を咲かせます。

花の期間は長く、だいたい2-7月ごろ。

ラオス語名は、「ドーク・チャンパー(ດອກຈຳປາ)」

 

庭先を彩る、ブーゲンビリア

<ブーゲンビリア>

Bougainvillea spp.

オシロイバナ科の蔓または低木で、赤やピンク、白など様々な色の花を咲かせます。

ただし、花びらのように見える部分は、実は葉が変形したもので、真ん中の小さい部分が本当の花だったりします。

花はほぼ年中見られますが、雨の降りはじめる2月から乾期の初めごろまでが、一番の花盛りです。

ラオス語名は、「ドーク・チア(ດອກເຈ້ຍ)」、「紙の花」という意味です。

 

植え込みの定番、サンタンカ

<サンタンカ>

Ixora spp. (I. chinensisなど)

アカネ科の低木で、熱帯ではよく、家やお店の周りの植え込みとして育てられています。

花はほぼ年中見られますが、雨の降りはじめる2月から乾期の初めごろまでが、一番の花盛りです。

ラオス語名は、「ドーク・ケム(ດອກເຂັມ)」、「針の花」という意味です。

ちなみに、野生種もあって、森の中でもときどき、暗い林床にぱっと咲いた赤い花を見かけます。

 

春のしるし、サルスベリ

<オオミノサルスベリ>

Lagerstroemia macrocarpa

ミソハギ科の木で、日本のサルスベリと近い種です。

街中で見かける似た花に、オオバナサルスベリ(L. speciosa)もあります

花の時期は3-5月ごろ。

ラオス語名は、「ドーク・カラオ(ດອກກະເລົາ)」。

ちなみに、東南アジアにはサルスベリ属の木が20種近くあり、街だけでなく森でもよく見かけます。

 

正月の祝い花、ゴールデンシャワー

<ナンバンサイカチ>

Cassia fistula

マメ科の木で、明るい黄色の花を樹冠一杯に咲かせます。

英語名のゴールデンシャワーという名前の方が、耳覚えがあるかもしれませんね。

花の時期は3-5月ごろ。

ラオス語名は、「ドーク・クーン(ດອກຄູນ)」。

4月のラオス正月の祝いにかかせない、大事な花です。

 

ひっそり香る、シクンシ

<シクンシ>

Combretum indicum

シクンシ科のつる植物で、軸の長い白や赤の花を咲かせます。

夜に自転車で走っていると、ふっと甘い香りが漂ってきて、見回すとこの花が咲いているのに気づきます。

花の時期は3-9月ごろ。

ラオス語名は、「ドーク・サマン(ດອກສະມັ່ງ)」

 

東南アジアの街で、色とりどりの花を探そう

熱帯の明るい陽射しに似合う、鮮やかな花が多い東南アジア。

街を歩く機会があれば、街角の彩りを探してみましょう。

 

(思いついたら、ときどき新しい花を追加していくかもしれません)

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